革漉き〜パスポートケースの場合
前回、革漉きは適当な厚さにしていたらダメなんだ!という、当たり前のことを理解するのに2年もかかってしまったという投稿をしました。
その後、Open Sudioで自分で革漉きしてきたものを見直し、納得のいかないものを改めて漉き直すことにしました!
すでに、革の表裏を糊で貼り合わせていたものもありますが、基本的にパスポートケースやノートブックカバーの本体は周囲のみ糊付けしているので、糊付け部分を軽くアイロンかけすると糊がとけて剥がすことができます。
ただ、糊付けした部分を改めて漉くのは難しい(というか、機械が痛みかねない)ので、大きめのノートブックカバーように漉いていたものを小ぶりの作品用に転用することに。
完全に糊付けしてしまっているポケットについては、端切れとして取り置くことにしました。
まず本体(表)の厚さです。約1ミリです。本体の表は作品のサイズに革を裁断、厚さも均一(1ミリ)のベタ漉きです。
次にポケット(表)です。本体よりやや薄め。0.85ミリ位でしょうか。最初のベタ漉き時は「ポケットは本体よりもやや薄め」です。失敗を繰り返さないように、唱えてみました。
ポケット(裏)です。微妙な違いですが、ポケットの表よりも少しだけ薄いのがわかりますでしょうか。本当に微妙です。
今回、例としてあげた裁断済みの革写真(表面)です。
裁断済みの革写真(裏面)です。右下がポケットの裏側です。ポケットの裏は最初、表面とほぼ同じ厚さに漉いたあとに、3辺をさらに漉いて上記の厚さまで落としています。これは、革を貼り合わせた時にすっきりと見せるためです。厚さを落とさない辺がポケットの開き口(ノート等を出し入れする部分)になります。
写真は省略していますが、本体の裏面も同じことをします(本体については、負荷がかかり安い背表紙部分の厚さは残して、それ以外の周囲を薄くします。
思い通りの厚さに、しかも均一に革を漉くのは簡単ではないと感じています。先生の機械を使わせていただいているので、壊さないように恐々つかっているせいもあるかもしれません。