かすみ革工房のブログ

趣味の革工芸にまつわる諸々を綴っています。

ロープハンドルの端の始末

ロープハンドルというのは、これです。


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カバンの持ち手の型としては一番のお気に入りです。理由は、

1)手に持った時にしっくりくる

2)見た感じがクラシック

3)出来上がりの形が美しい(個人評です)

 

難点は、

1)作るのに比較的時間がかかる

2)特殊なナイフが必要

3)手持ち(肩にかけるのには若干不向き)なので日常使いしにくい、ことでしょうか。

 

ともあれ、しばらく忙しくて先延ばしにしていた作成中のカバンのハンドルを仕上げたので、端の始末について書いてみようと思います。

 

まず、ハンドルを組み立てたところです。


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次に余分な革を切り落とします。この時に半月型の下記写真のナイフを使います。個人で所有していないので、借り物です。


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端の始末手順:

(1)150番紙ヤスリかけ

余分な革を切り落としたあと、150番の紙やすりで垂直にヤスリがけします。革の間のノリを断面から削ぎ落とすようにかけますが、あまり強くヤスリかけすると革が痛むのでしっかりと、でも優しくヤスリかけするイメージです。

 

2)220番紙ヤスリかけ

ダイ(完全に乾かす)>ビーワックス>アイロンのエッジ始末の基本3点セットを行い220番のヤスリで裏表2回転ヤスリかけします。断面が滑らかになって、ノリの継ぎ目が目立たなくなったら、もう一度ダイを薄くつけて乾かします。ヤスリ掛けが十分でない部分は断面がガタガタした感じに見えるので、もう一度その部分に軽くヤスリ掛けします。力を入れずに、ごくごく軽くヤスリ掛けするのがポイントです。ここで、力を入れてしまうと、いつまでたっても滑らかに仕上がらないので、骨折り損のくたびれもうけになってしまいます。

 

3)ワックス布で磨く

裏表を2回転磨きます。

特に決まったやり方があるわけではないと思うのですが、私は5センチずつくらいを10往復磨いたら次の5センチに移るという手順で最初に裏の端から端まで磨き、その後、表面に返して同じことを繰り返します。

 

1回転目の磨きが終わったところ。まだまだワックスが残っていていかにも途中経過です。


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2回転目の磨きが終わったところ。写真だとわかりにくいのですが、少し滑らかになっています。が、まだザラついていますね。


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今回のように2回転目が終わって、輝きが十分でないようなら(ビーワックスをもう一度塗り込んで革を立ててさらに刷り込みます。

 

更にワックスを刷り込んで磨いたところ。だいぶ、滑らかになってきましたがもう一歩輝かせたいところです。


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その後、綺麗な布で1回転目と同じことをし、更に磨きながらワックス布からついたダイの汚れを拭き取ります。上のハンドルは、この最後の工程前、下は工程後です。違い、わかりますでしょうか。


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こちらの写真は、両方共、最終工程まで終わらせた状態です。 


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ロープハンドルを作るのには本当に手間がかかります。でも、出来上がりの達成感を楽しみにせっせと磨き込んでみました。