革漉きについて
個人でレザークラフトを趣味とする場合、一つのハードルとして「革漉き」があると思っています。
過去2年に渡る革漉き機との関わりと学んだことについて5つのステップにまとめてみました。
1)革漉き機との出会い
2)革漉き機を使ってみた〜先生の指導のもとで
3)革漉き機を使ってみた〜先生の指導なく
4)何かが違うと気づいた
5)ようやく学んだこと
1)革漉き機との出会い
レザークラフトを教室で始めた頃は、型に合わせて革を裁断すると、先生が一枚、一枚適切な厚さにベタ漉き、部分漉きしてくださっていたので、それぞれのピースがどの程度の厚さに漉かれているのかについて、あまり注意を払っていませんでした。それよりも作品、課題を完成させることを優先して、過程の一つ一つを消化していなかったなあ、と今更ながら反省しています。
さて、教室で先生が使っている革漉き機はこれです。
確認はしていませんが、工業用レベルのものだと思います。使用中の音は凄まじいですし、革漉きをすることによって出るゴミ、埃もかなりのものなので、私自身が家庭で所有するのはちょっと無理そうだなあ〜と、当初からこの点は諦め気味。
2)革漉き機を使ってみた〜先生の指導のもとで
上級クラスになって、革漉き機の扱い自体はカリキュラムに含まれていたので一通りの使いかたは理解したと思います。革の手縫いと同じで、理屈でわかっているのと実際に使いこなせるかは全くの別問題ですが。
カリキュラムの最後では、初級で作ったものと同じ簡単なカードケースを革漉き(機械漉きと手漉き)も含めて自分で行うというプログラムになっていましたが、この時も機械の設定自体は完全に先生が行ってくださったので、厚さについての意識はあまりなく、とにかく革を破かないように革漉き機を通過させることに完全にフォーカス(汗)
3)革漉き機を使ってみた〜先生の指導なく
私がレザークラフトについて学んだ工房では、2)で書いたカードケースの100%作成が一年のカリキュラムの最後の過程になっていました。私は1年カリキュラム終了後も受講を継続して学んでいるので、現在取り組んでいるものはすべて自由課題です。そして革漉きも基本、自分でやる。
ただその場合も、作る物に応じて先生が機械の設定について細かく指示はしてくださいます。
完全にすべてを自分の采配で行うようになったのは、工房でOpen Studioという工房の1年コース修了者向けの時間貸しを始めたので、練習を兼ねて小さなサイドプロジェクトに取り組もう!と会社の有給を使って時間を見つけては通い始めたのがきっかけです。
Open Studio中は、基本的には先生はおらず(アシスタントさんはいます)、指導は受けられないけれど、工房の道具や機械は使っていい、というものです。
一年過程の中で作った、ノートブックカバーやら、似た作りのパスポートケースなどを作っては身内や友人にプレゼントし始めました(無理やり押し付けたとも言えますが)。
どれも、喜んでもらえたのでそれはそれで嬉しかったのですが、徐々に、何かが違う、でも何が?と思い始めました。
4)何かが違うと気づいた
一番始めに、あれ?っと気づいたのは、とあるArt Craft の展示販売会に行ったことがきっかけでした。その展示会には一緒に初級、中級クラスをとっていた知り合いが出店していたので、どんな作品を出しているのか見てみたいと思ったのです。
彼女はもともと公務員だったのですが休職してレザークラフトを習い始め、一年コースを修了することなく、公務員を辞めて革小物を製作販売するオンラインビジネスを始めました。革漉き機も個人購入したようです。
もともと器用な方だったのでしょうね。初級のころから手縫いの縫い目も几帳面で綺麗でした。でも、公務員からの転身を思いきった勇気!素晴らしいです。
その展示会で彼女が実際に展示販売している作品を手にとった時、ネットショップで見ていた時には気づかなかったことに気づきました。
それは、
「なんか、ごっつい」
何に比べてごついと感じたかというと、私自身が教室のプログラムで先生の完全指導の元で作ってきた作品たちに比べてです。
何で、こんなに分厚く作っているんだろう?
もしかしたら、彼女は意図的に分厚く作っているのかもしれません。その方が、質がいい、耐久性があると感じる消費者も多いのかもしれません。
でも、そのスタイルは私が作りたいと思っているのとは違うと感じたのです。
5)ようやく学んだこと
Open Studioは時間貸しなので、私は基本的に革漉きを行う目的で通っています。出費を抑えるためです。革の裁断、手縫い、コパの処理等は自宅でもできますからね。
毎回、ある程度の品数分の革を自宅で裁断してOpen Studioに持ち込みます。そこで革の厚みを減らすためにベタ漉きをしていました。が、最悪なことに適当な厚さにです!
だから、一枚、一枚の革の厚さが毎回均等でなく、しかも物によっては妙に分厚く、裏表を貼り合わせるとまさに「ごっつい」。
これでは、どんなに縫い目に気を使っても繊細な見栄えの作品にはなりません。
もちろん、多少ごつくて無骨な感じが好きという方もいらっしゃるので、あくまでも好み、作風の問題です。
レサークラフトを学び始めて2年。
革漉きは適当な厚さにしていたらダメなんだ!
ということを学びました。
では、具体的にはどの位の厚さにすればいいの?ということを次回の投稿で具体的に示してみたいと思います。